ひろしときゆくん SS
#FF14 #SS
けむりのはなし
朝目をさますと、いつもとなりにいるはずのひろしがいなくなっていた。
「ひろし?」
きょろきょろと辺りを見回すが、すがたは見えない。軽くのびをして、しんしつを出た。
「ひろし~?」
バスルーム。トイレ。しょこ。ものおきへや。どうやら地下のへやにはいないようだ。
じゃあリビングかキッチンかな。とかいだんをのぼるとタマゴとバターのいいにおいがしてきた。
「ひろしー!」
あわててキッチンにころがりこんだけれど、そこにいたのはオムレツをひっくり返してるアルバートだった。
「なんだ、朝から騒がしいな。」
「アルバート、ひろしは!?」
まずはおはようだろ。とデコピンをしてから、アルバートはニヤッとしながらこたえてくれた。
「あいつなら外の…エーテライトの近くにいるんじゃないか?」
「ほんと!?ありがと~!!」
おさらにもってあったウインナーをつまみぐいして、ひろしをさがしに外に出た。うしろでアルバートがなにか言ってるけど、きこえないふりをした。
「ひろし!!」
いえを出て左にまがってすぐ、エーテライトのちかくにひろしはいた。
ひろしはおれのすがたを見つけると、あわててなにかをかくしていた。おかしかな?ずるい!
あと少しでひろしのところにつくというところで、ふわっと今までひろしからかいだことのない、いいにおいがした。
「……?」
「あー……おはよう。」
ぴたりと足を止めたおれのまえに、ひろしがあたまをかきながらやってきた。
もう片方の手はポケットにつっこんだままだ。
「ひろし。」
「……はい。」
なぜかしゅんとしてるひろし。どうしてなのかわからなくて、おれは首をかしげた。
「なんでしょんぼりしてるの?」
「え?ああいや、これは……。」
ひろしは大きくいきをはくと、ポケットにつっこんだままの手をおれのまえにさしだしてくれた。
ひろしの手の中には、すこしこげたかみのつつがあった。
「これ、なに?」
「煙草だよ。少し前、依頼人にもらってな。」
「たばこ。」
たばこってあれかな、しこうひん?っていうやつ。
「そうそれだ。時々依頼料の足しにってもらうことがあったんだが、お前の前で吸うわけにはいかなくてな。」
「なんで?」
「なんでってそれは……。」
ひろしの目がそっぽをむく。それにかまわずおれはひろしをみつめつづけていると、じわじわとめもとを赤くしながらこたえてくれた。
「こういうのは子どもに良くないと思ってだな…」
「おれはこどもじゃないよ!!」
「精神のことじゃなくて、肉体のことだ。これからまだまだ大きくなりたいんだろ?」
「うん!!」
おれが大きなこえでへんじをすると、大きな手であたまをなでてくれた。
まだ少したばこのにおいがしたけれど、おれはおとななのでだまっておくことにした。それに、いやなにおいじゃないし。
「さーて、朝飯まだだったな。あんまり道草食ってるとアルバートが怒るかもな。」
「ひろし。」
ひろしがこっちをむくまえにたばこをもっていた方のうでにだきついて、きこえるかきこえないかくらいのこえで言う。
「おれ、たばこすってるひろしもすきだよ。」
よし、おなかすいたからあさごはんたべよっと。
畳む
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けむりのはなし
朝目をさますと、いつもとなりにいるはずのひろしがいなくなっていた。
「ひろし?」
きょろきょろと辺りを見回すが、すがたは見えない。軽くのびをして、しんしつを出た。
「ひろし~?」
バスルーム。トイレ。しょこ。ものおきへや。どうやら地下のへやにはいないようだ。
じゃあリビングかキッチンかな。とかいだんをのぼるとタマゴとバターのいいにおいがしてきた。
「ひろしー!」
あわててキッチンにころがりこんだけれど、そこにいたのはオムレツをひっくり返してるアルバートだった。
「なんだ、朝から騒がしいな。」
「アルバート、ひろしは!?」
まずはおはようだろ。とデコピンをしてから、アルバートはニヤッとしながらこたえてくれた。
「あいつなら外の…エーテライトの近くにいるんじゃないか?」
「ほんと!?ありがと~!!」
おさらにもってあったウインナーをつまみぐいして、ひろしをさがしに外に出た。うしろでアルバートがなにか言ってるけど、きこえないふりをした。
「ひろし!!」
いえを出て左にまがってすぐ、エーテライトのちかくにひろしはいた。
ひろしはおれのすがたを見つけると、あわててなにかをかくしていた。おかしかな?ずるい!
あと少しでひろしのところにつくというところで、ふわっと今までひろしからかいだことのない、いいにおいがした。
「……?」
「あー……おはよう。」
ぴたりと足を止めたおれのまえに、ひろしがあたまをかきながらやってきた。
もう片方の手はポケットにつっこんだままだ。
「ひろし。」
「……はい。」
なぜかしゅんとしてるひろし。どうしてなのかわからなくて、おれは首をかしげた。
「なんでしょんぼりしてるの?」
「え?ああいや、これは……。」
ひろしは大きくいきをはくと、ポケットにつっこんだままの手をおれのまえにさしだしてくれた。
ひろしの手の中には、すこしこげたかみのつつがあった。
「これ、なに?」
「煙草だよ。少し前、依頼人にもらってな。」
「たばこ。」
たばこってあれかな、しこうひん?っていうやつ。
「そうそれだ。時々依頼料の足しにってもらうことがあったんだが、お前の前で吸うわけにはいかなくてな。」
「なんで?」
「なんでってそれは……。」
ひろしの目がそっぽをむく。それにかまわずおれはひろしをみつめつづけていると、じわじわとめもとを赤くしながらこたえてくれた。
「こういうのは子どもに良くないと思ってだな…」
「おれはこどもじゃないよ!!」
「精神のことじゃなくて、肉体のことだ。これからまだまだ大きくなりたいんだろ?」
「うん!!」
おれが大きなこえでへんじをすると、大きな手であたまをなでてくれた。
まだ少したばこのにおいがしたけれど、おれはおとななのでだまっておくことにした。それに、いやなにおいじゃないし。
「さーて、朝飯まだだったな。あんまり道草食ってるとアルバートが怒るかもな。」
「ひろし。」
ひろしがこっちをむくまえにたばこをもっていた方のうでにだきついて、きこえるかきこえないかくらいのこえで言う。
「おれ、たばこすってるひろしもすきだよ。」
よし、おなかすいたからあさごはんたべよっと。
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